-- Don't Starve Together 日記 --

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2021年07月31日

#ドンスタ ウェンディのちびっこ幽霊のクエスト

ちびっこ幽霊が無くした玩具を探してあげる。
最初は指し示す方向に進み、対象に近づいたらアンテナを頼りに探す。雑魚モンスターにめっぽう強いアビゲイルだが、エリクサー投与で巨人やカエル雨にもかなり耐えてくれる。
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2021年07月25日

#ドンスタ Japan Server 01: 2261日目.冬


拠点の中がクモの巣だらけ!
久しぶりの豪快な荒らしっぷりに、せっかくですから記念撮影して。それでは c_rollback() とコマンド入力。すっごくがんばって頂いて本当に申し訳ないんですが…これって、ちょちょいとすぐに戻せるんですよね。

誰が拠点を荒らしたのか?もちろん知ってます、私は管理者ですから。既にログイン禁止しました。実は、嫌がらせ屋のIDをブロックリストにコレクションするのがひそかな楽しみだったりします。数えたら67名集まってた。
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2021年07月05日

#ドンスタ Japan Server 01: 1817日目.夏


今日は畑仕事を諦めて魚釣りをするよ。水辺だと少しは涼しいな。ミューシャの拠点は世界の淵にあるよ。ほらすぐ目の前で海が落ちている。奈落はものすごく深くて、星より遠いって噂だよ。落ちたら戻ってこれないね。ぶるる。
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2021年06月14日

#ドンスタ 無料で欲しいスキンを入手する

アイコンに「x2」などと書いてある余分なスキンを糸に戻して、逆に糸の長さに応じて、欲しいスキンと交換できる。いつの間にか不用品がけっこう溜まるから、たまにはネコ動画など観ながらでも片付けるといい。
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2019年12月13日

豚の村キャンプ場です

最近は豚の村キャンプ場に住んでいます。

とある森の中に踏み込むと、ぽっかりと小さな空き地があって、そこに豚さんたちが住んでいました。

自分たちで植えたのでしょう、あちこちにベリーの茂みがあって、原始的な畑のつもりなのか、ニンジンがまとまって生えています。そんな豚さんの村の、のどかっぷりにすっかり魅せられてしまって、私もここに住みたいと思ったのでした。


空いたスペースに畑を拓いて、養蜂箱を設置させてもらいました。
ベリーや草や小枝をたくさん植えると、とたんに豚さんの村は華やかになりました。でも元の牧歌的な雰囲気は損ねないように、極力注意したつもりですよ、そこが重要です。私はいい感じになったと思っています。豚さんも機嫌よくしているっぽいので、OKなのでしょう。


居住区は地下室を掘りました
地面に設置したマンホールの分厚い鋼鉄の蓋をよいしょと開けて中に飛び込むと、そこここで炉が燃えていて、内部を薄暗く照らしています。マンホールの蓋を閉めると、豚さんたちのぶうぶう鳴く声がすっと遠くなります。中は基本的に静かです。室温は低くて、炉から離れると少し寒いですが、夏はむしろ快適です。

ちなみにマンホールから飛び降りた場所、私の今いるところが共有スペースです。木製の丸テーブルと数脚の椅子が2セット置いてあって、隅に冷凍庫や調理鍋もあって、ぱっと見て食堂のような印象です。折しも豚さんの丸焼きを料理している最中で、これは地上の豚さんたちには絶対に秘密です。じゅうじゅうとしたたる肉汁の匂いが胃袋を直撃します。ちょっと夕食を待ちきれません。焼けた表面だけ削いで食べられないかなあ、うう。じゅるる。あっとしかし…これだと匂いが籠もってしまいそうですね、もう少し換気をよくする必要があります。

そして奥の小さな空間が私の部屋です。
奥の壁に本棚を設置していて、うむ、なかなか文化的な暮らしに見えませんか?どっしりした読書机と革張りの読書椅子を苦労して運び込みましたが、結局あんまり使っていません。炉の側で赤いクッションを枕にして、ごろごろしながらラノベなんぞ読んでます。

向かって左は誰の部屋だったかな、誰か住んでいます。
んで右側の部屋は空っぽで入居者募集中です。一応、全体は公共施設なので、騒音を立てたり隣人に迷惑をかけないという条件を守れる人に住んでもらえると嬉しいです。

2019年12月09日

朝から大乱闘です

急に外が騒がしくなって、それで目が覚めてしまいました。
うう、なんなの?

寒さに肩をすくめながら小屋の外に出てみると、なんと昨日まで雪景色だった庭は、一晩で鮮やかな緑に変わっていました。おお春になったんだ。となると、この大騒ぎにも心当たりがあります。

冷たい小雨が降る中、ぬかるみを避けながら勝手口まで行ってみると……あーはいはい。豚さんたちと、真っ赤に怒った蜂たちが大乱闘していました。

ブワーンというやかましいほどの蜂の羽音に混ざって聞こえる「ブヒ」「ブホホ」という豚さんたちの雄叫び?悲鳴?まあどちらもがんばってください。あ、私は無関係ですよ。こっちに来ないように。

……ふむ、どちらかというと劣勢なのは蜂の方ですか。
本来は数にものをいわせて戦う蜂たちですが。見てのとおり、このキャンプ場では豚さんたちの数だって多いです。数vs数。こうなると単純な力勝負、体力勝負になってしまいます。


春になると蜂は真っ赤に興奮して、手当たり次第に攻撃を仕掛けます。
だからこの喧嘩は、蜂が先に手を出したということになります。とはいえ、そもそも豚小屋と養蜂箱をこんなに近くに建てるのが悪いのですけどね。

ブワーン「ブヒ」「ブホホ」……まだやってます。
はあこれ、春の間は毎朝これですよ。後には蜂の針が散乱して、拾うのが面倒です。豚小屋か養蜂箱か、どちらかを離れた場所に移動するしかないですねえ。

2019年09月04日

引っ越しの準備をします


ルナ・アイアンドに引っ越すために、せっせと輸送船の倉庫に資材を詰め込みます。それこそキャンプ場の資材が空になる勢いで、何度も港とキャンプ場を行き来します。

え?キャンプ場を空にしていいのかですって?
いいんですよ。丸太や草や枝は、農夫さんがどんどん補充してくれるので、心配ありません。うーん石が不足気味になりますが、岩場はキャンプ場の目の前にありますから。必要な人は自分で採ってきてください、ってことでOK。


生活の中で日常的に使う物で、ルナ・アイランドで致命的に入手できない物は、草とニトロ石です。これらは大陸から持ち込むしかありません。だからルナ・アイランドは、ルナ・アイランドけでは生活できない、不完全な場所です。

そもそもある日突然、空から落ちたでっかい隕石で出来た島です。
生態系も大陸とまるで違っていて、ルナ・アイランドに棲む固有の生物は繁殖できず、殺すと絶滅します。私としては、巣から無限に沸いてくるクモと、大陸から渡ってくるカラスを殺して食べるように心がけています。

それで思い出しました。
ルナ・アイランドって野菜や果物が採れませんから、これらも持ち込まなければなりません。精神疲労対策に緑のキノコと……それと冷蔵庫の中を見ると蜂蜜が大量に余っていたので、これを持って行きましょう。


先ほど農夫さんから「畑に植える種がない」との報告がありました。
適当な野菜を選んで鳥さんに食わせて種を作って、農夫さんに渡します。

どんなに冒険に勤しんでいても、キャンプ場のメンテナンスを怠ってはいけません。ノーキャンプ、ノーアドベンチャーです。

輸送船を建造します


真っさらだった冒険の書もあらかた埋まって、残る巨人は砂漠に住むアンティリオンのみ。しかしこれを殺して冒険の書を完成させる前に、ちょっとしたサブクエストをこなすことにしました。ルナ・アイランドに移住して1年間サバイバルします。

ルナ・アイランドには小さなモンスターしかいません。
どちらかというと安全……というより退屈な場所です。ただし植生が大陸とまるで違っているので、輸送船を建造して、一通りの資材や食材を島に持ち込むのが無難です。


さて、
狭いイカダの上に大容量の倉庫を建てると、それだけでいっぱいいっぱいになりました。マストや舵輪、アンカーをあまり窮屈に配置すると、いざというとき操作に失敗して大惨事になるので、配置に苦慮します。ざっくり言って、きれいにマス目上に揃えて配置しないこと、ぐじゃら~とだらしなく配置するのがコツです。

マストは何本立てましょうか。
たくさん立てるほどイカダは速く進みますが、操作に計画性と慎重さを求められます。

真夏の暑い最中での作業です。
懐の中のサーマルストーンがぬるくなる度に、キャンプ場に戻ってキンキンに冷えたやつと取り替えます。何度も港とキャンプ場を行ったり来たり。(いっそそばに冷却炉を建てた方がよかったかな)と後悔しましたが、でもあと少しで作業も終わってしまいます。


輸送船は、実は既に一度建造しました。
しかし先日やって来たウィルソンさんが、勝手に動かして岸にぶつけて沈めてしまいました。

2019年08月13日

熱烈歓迎!ツリーガード(3)


冒険の書を装備した私は、何としても早く攻撃力を上げるために、ただ今ツリーガードと戦闘中です……戦闘中なのですが。


なんだかしょぼくれた闘いになってきました。
私が非力なら小さなツリーガードも非力。ツリーガードの体力はさすがに4桁に届きますが、こちらだってバックラーでダメージを反射します、ノーダメージです。風呂場の水垢を擦り落とすような味気ない削り合いになりました。

6回槍で叩いて1回バックラーで払うのをひたすら繰り返します。
叩いて叩いて払う。叩いて叩いて払う。とっくに飽きました。眠気を堪える方が大変です。もう途中をすっ飛ばしてエンディングに行っちゃってもいいですかね?私、この状況を面白く実況中継する自信がありません……


長く退屈な時間の後で、
ついにツリーガードの体力が100を切りました。

(……つらい仕事でも終わりが来るって、何かの黒人霊歌にあったなあ。”終わり”ってこの場合、死ぬってこと?縁起でもないや。)なんて半分上の空で機械的に手を動かしていましたら。

うっかり。本当についうっかり。

ツリーガードが腕を振り上げたので、反射的に私はバックラーを振るってしまいました。バゴンッとバックラーはダメージを全反射して、ツリーガードは自分自身の攻撃を食らい……そして体力がほとんど0だったツリーガードは死んで、木片となって砕け散りました。


……待って。
すっかり頭がはっきりしてしまった私は最速で自分の知識を掘り起こします。冒険の書に巨人殺しが記録される条件は何だった?確か「最後の1撃を入れたプレイヤーの手柄となる」でした。それでバックラーが反射したダメージって、私の攻撃なんでしょうか。

大慌てで私は自分の冒険の書を開いてみましたが。
うわぁーん、やっぱり。余白でまっさらな第1ページに綴られているのは、ただ1行だけ。

「昨日の晩ご飯、ミートボール1個。」

待って?待ってよっ。
今のノーカウント!
起き上がってプリーズっ!!

私は泣いてすがりましたが、散らばった丸太相手に意味のないことでした……


仕方ありません。
まだ日は高くて植林もほとんど残ったままです。木を切り続けていればまたツリーガードが現れるかもしれまん。

そう期待して私は伐採作業を再開したのですが。
最初の1発で今日の分の幸運を使い果たしていたのか、全部の木を切り倒しても、ツリーガードは現れませんでした。


丸太はたくさん集まりました。
これなら当分の間、凍死を心配する必要はないでしょう。
よかったよかった、ぐすっ。

熱烈歓迎!ツリーガード(2)


冒険の書を装備しました。
ここから私としては何としても早く、僅かでもいいから攻撃力を上げたい。なので日常的にエンカウントしやすい最弱の巨人――ツリーガードの殺害を計画しています。

といっても特別なことはしません。
今日はたくさんの木を切り倒して、炉にくべる丸太をたくさん集める予定です。木を切っているうちに木々が怒って、ツリーガードを生み出してくれることでしょう。


うむ、秋のうちに植えておいた杉林が育っていますね。
凍えないように火の入ったポータブルグリルを足下に置いて、それでは木こりの真似事です。とにかく端からがんがんと斧で木を切り倒していけば……切り倒していこうとしたら、最初の1本目を倒した瞬間に、隣の木がぬおぉっと立ち上がりました。

「がおー」
「きゃーん、せっかちなんだからっ」

おおっとこれはこれは、ずいぶんお早いご登場。
歩く巨大なクリスマスツリーこと、ツリーガードです。普段ならその日の仕事始めにいきなり出鼻を挫かれて、げんなりするところでしょうが。今日だけは違いますよっ。

いゃっふぅー、待ってました!热烈欢迎樹人守衛!!
中国ではこのように言うらしいですね。どうでもいいか?

好都合なことに、成長途中の若い木が化けたため、ツリーガードは完全体ではなく、通常よりもかなり小型です。体力も攻撃力も少なめだってことです。

なんたる幸運。お前を殺して私の冒険の第1歩としてやる!
……なんて、後から思い返せばいかにもフラグっぽい台詞を叫びながら、私は斧を槍に持ち替えてツリーガードに駆け寄ったのでした。


叩く叩く叩く叩く。
あーだめだ、しょぼいダメージ。

自分の非力が嫌になります。
そしてこちらが6回ほど攻撃する合間にツリーガードは1回、腕を振り上げてからの凄まじい叩きつけ!はん、遅すぎてハエが止まりそうですよっと。

私はツリーガードに合わせて円形の盾――バックラーを振るいます。
バゴンッとバックラーはダメージを全反射して、ツリーガードは自分自身の強烈な攻撃を食らい……って、こっちのダメージもぱっとしないな?

ああ、このツリーガードは小さいから、攻撃力も小さいのですね……
(続く)

2019年08月11日

熱烈歓迎!ツリーガード(1)


冒険の書を装備しました。
本革で装丁された厚い書物の姿をしたアイテムです。これは私のように、身体能力が他の人より劣るキャラクタにこそ、効果を発揮するアイテムです。

冒険の書は私の毎日の冒険を記録します。
食べ物を食べると少しずつ体力や精神力の上限が増えます。巨人を殺すと攻撃力が増えて、そして殺した巨人の種類に応じたトロフィー――特典がもらえます。そんな感じ。

身体を鍛えるために、特別にすることはありません。
毎日、普通に食べ物を食べていれば自然に強くなります。しかし攻撃力の強化がねえ。巨人を殺せと言われても、その、先立つもの――攻撃力がないんですけど?


とはいえ一口に巨人と言っても、性質や強さはピンキリです。
最大の体力を誇り毒ガスをまき散らすトードスツール、無数の兵隊蜂を嗾けてくるビークィーン、etc。多くのボスは自分の縄張りを持っていて、そこから出ようとしません。人が積極的にそこに踏み込まない限り、戦闘にはなりません。

そんな中でツリーガード――大きな歩くクリスマスツリーのような巨人は、身近でよく見かけます。そして頻繁に生活圏に現れる分、ツリーガードは比較的に倒しやすい巨人です。ツリーガードの出現条件は木を切り倒すこと。一度にたくさんの木を切り倒していると、森が自衛手段としてツリーガードを生み出すのです。


うむ、
私の冒険の書に綴る最初の巨人殺し譚はツリーガードで決まりです。
つか現状で他の巨人は無理、あっさり返り討ちにされる自信があります。最初にツリーガードを殺して、その次は……スパイダークィーンかなあ。とにかく弱い順に弱い順に巨人を殺していって力を付けて、最後に世界の全ての巨人を殺します。その記念すべき第一歩です。

尚、ツリーガード討伐に関して特別な準備はありません。
ただ今キャンプ場では寒さをしのぐために絶やすことなく炉に火を焚いていて、倉庫の中の丸太は昨日から品切れなのです。今日は最優先の仕事として大量の木を切らなければなりません。普通に仕事をしているだけで、否応なくツリーガードと対面できるだろうと期待しています。

2019年08月10日

ステルスです


蜘蛛の巣だらけの岩場です。
辺りは真っ暗。ランタンは持ってきていますが、敢えて松明を掲げると、松明はあり得ない強さでまばゆく輝きます。むしろランタンよりも広く辺りを照らします。

これが私の特殊能力の一つ――「輝く正義」です。
とはいえ、この程度では「ほうほう、燃焼コストが悪くてもランタンより明るいのは便利かも」という評価がせいぜいでしょうね。本題はここからですよ。


松明を掲げたまま、恐る恐る蜘蛛たちの群れに近づいてみます。
聞いた話を信じるなら……おお本当だ、見てください!

蜘蛛たちは私の周りをうろうろしますが、いっこうに私を攻撃しようとしません……なんだか私のことに気づいていないようにも見えます。

足下の蜘蛛がぎゃーっと叫び声を上げたので、思わずびくっと槍に手が伸びましたが。蜘蛛たちは何か別の獲物を見つけたようで、あちらに去っていきました。何とも不思議な光景。

ちょっと恐かったけど大丈夫、実験は成功です。
これこそが私のもう一つの特殊能力――「罪深き者は正義から目をそらす」です。モンスターたちは、松明に照らされた私の姿を認識できないのです。あるいは自分の仲間のように見えてるのかも……松明を掲げる2本足の仲間もないと思うのですが。

なんですって、こそこそと何だか悪役みたい?うるさいですね。


確かにこれでは……
正義の味方というより、ヒーローアニメの第一クールで暗躍する敵の小ボスあたりにふさわしい能力だなー、なんて自覚はありますけど。

でも私は腕力がないから、蜘蛛・野犬を1匹殺すのにも手間取りますし、かすり傷でも受けるたびに大きく精神を削られる特殊体質ですから。雑魚に囲まれるだけでいきなり冗談みたいな大ピンチになるのです。

この能力はこの先も命綱になると予感します。

野犬が来ました


火の絶えることのない炉、電気釜と冷凍庫と冷蔵庫。
先日なんとか用意できた大容量の倉庫(ストーム・セラーっていいます)。その他etc……。ぎりぎり生き延びるために必要最小限の設備しかない貧相なキャンプ。いや上出来ですよ、最初の冬ならこんなものです。

さて足りない物はないかな……全部足りないな、なんて倉庫を確認していたら、野犬の声が。ああもう、落ち着く暇もありません!

私の心情は複雑です。
もちろん、野犬に噛まれて傷を負うのは嫌です。特に私は、噛まれると、体力と同時に精神にもダメージを負う特殊体質なので、他の人よりも戦闘リスクが高いのです。

一方で、野犬たちを殺して手に入るだろう数片の肉に(とてもとても)期待しています。冷凍庫はすっからかんです。ここで数日の分の食料が手に入るのはありがたい。(私は彼らのことを「強引且つ粗暴な肉の宅急便」と呼んでいます。)


私は槍を構えました。
悩んだところで最初から選択肢なんてありません。彼らは決して見逃してくれないのですから。

フライング気味に飛び込んできた最初の1匹を槍で突き、バックラーで振り払い、応戦しますが……ああやっぱり、話になりません。

私は他の人よりも腕力がないのです。
野犬1匹殺すのに手間取ります。そうこうしているうちに2番手が参戦、がぶりと私に横やりを入れます。アーマーとヘルメットを着込んでいるので体力ダメージは僅か1、しかし無防備な精神にどうしょうもなくダメージが入りました。これが痛い!

こうなると戦術もなにもない、ぐだぐだです。
結局、私は精神を削られてふらふらになりながら、3匹の野犬を殺したのでした。はあはあ……怪物肉を3つゲット……よし。これで3日生き延びられます。


ちょっとねえ。いやもうちょっとねえ。
非力なのはこの世界では罪悪なのだと、改めて実感しました。

野犬は定期的にやって来ます。
1年が終わる頃には、群れの大きさは7匹くらいに増えているでしょう。それまでに力を付けなければ、私の死は避けられません。

2019年08月08日

倉庫を用意しました


岩場からキャンプに帰り着いたら、真っ先に丸太を炉にくべて火を起こします。うう寒い。

長く歩いたのでお腹も減りました。
冷凍庫の中を覗きましたが……何回見たっていっしょ、ろくなものがない。背に腹は代えられません、秋のうちに拾い集めた植物の種を焼いて食べます。種は、畑に植えて野菜を育てる用に集めたのですが。現状ではいつ畑を用意できるのか、見通しすらも立ちません。もういい、食っちゃえ食っちゃえ。

焼いた種はローストナッツのようで味は悪くないのですが、いかんせん粒が小さすぎる。満腹になるまで、ほとんど食べ尽くしてしまいました。まじで明日からろくに食べるものがありません。明日のスケジュールは考えるまでもない、狩りの一択です。


さて、
採掘してきた石を加工して四角いブロックをたくさん作りました。そして予め作っておいたたくさんの板材と合わせて……やったあ、ついに倉庫が出来ました。

早速、そこらに散らかしてた素材やツールなどを全部放り込んで、やっとキャンプ場がすっきりしました。これがやりたかった。キャンプ場が片付いていないと、どうにも足場が不安で落ち着けません。

ついに完成した、記念すべき1つめの倉庫。
今までの苦労を思い返しながらぼれぼれと見とれます……見事に空っぽですね。

こうして”入れ物”が出来てしまうと「このキャンプ場には資材がない」という事実が殊更に印象づけられます。空っぽの倉庫を見ているとなんだか寒くなる、ぼんやりとした恐怖を感じます。(一刻も早くこの倉庫を満杯にしなければ)という強迫観念に囚われます。よいことですよ、そうして満杯になった倉庫は確実に安全保障に繋がるのですから。

わぉ、丸太もありません!
あれあれ、私って久しぶりに死ねるの?餓死かなそれとも凍死かな。明日は狩りをしようかそれとも木の伐採が先か。ふふふふ……と、つい笑みがこぼれます。これぞDon't Starve 、世界が殺しにやってくる。死の綱渡りこそこのゲームの真骨頂です。


尚、同じ意味で、
私は倉庫の資材量を、他の人の練熟度を推し量るのに使っています。

例えば、正にこのすっからかんの倉庫を覗き込んで……そして「ところでドラゴンフライはどこにいるんだい?」などと質問する人は、(ああこの人はまだ百回ほど死に足りないな)って判断します。
ノーキャンプ、ノーアドベンチャーなのです。

……あるいは、他人から世話をしてもらいながら自分だけ活躍するのが当たり前になった”そっち方向のベテランさん”かもしれませんね。

私、輝いてるっ!


夜になったので作業を中断しました。
松明を灯すと、本来は手元も怪しいほど薄暗い明かりなのに、まるで別物のようにまばゆく輝いて、辺りを広く照らします。

松明は、特別なところのない只の松明ですよ。
これは私の能力でして、こまかな話をすると、事実は松明がまばゆく輝いているのではなく、自由と平等の象徴である松明を掲げたこの私自身が、あふれ出る正義で輝いているのです……目にも毒々しい赤色だって?うるさいですね、そこ。

などと言ってる間に手の中の松明は燃え尽きました。
今度はランタンを灯します――持ってきてたのを忘れてました。実は松明って結構高価ですよね、燃焼時間短いし。


朝になって、少しだけ採掘作業を再開しましたが、もう持てません。
チェスター君の中も満杯です。持てないのに欲張っても仕方ありません。
キャンプ場に帰りましょう。

岩場で採掘です


この世界に降り立って、最初の冬です。
なんとか秋の終わりまでに体裁を整えたばかりのキャンプ場には、食料も資材も何もありません。倉庫の中は空っぽどころか、倉庫がありません。何もかも足りなくて、優先順位を考える意味すらありません。とりあえずは岩場で採掘しています。


岩場は冷蔵庫でキンキンに冷やしたビールよりも冷えています。
いやもういっそ冷凍庫の中にいるのと同じです。冷蔵庫じゃなくて冷凍庫。氷を作る方の。

凍えてしまわないように、火の入ったポータブルグリルを据えて暖を取りながら、周囲の岩をピッケルで叩き崩していきます。

崩して散らかした小さな石片を素手で掴むと、くうぅぅっ冷たい!
愚かにも手袋を持って来なかったことを悔やみます。神さま、次からは忘れず持ってくると誓います。指先を真っ赤にしながら、もれなく石片を拾い終えると、ポータブルグリルを回収して別の場所へ移動します。

極寒の中の採掘作業ですが、これでもまだましになった方なのですよ。
採掘作業自体は、秋にやろうが冬にやろうが違いはありませんが。ポータブルグリルがあると、冬場の作業のはかどり方が全然違います。

逆に、このポータブルグリルを入手するまでは、冬場の作業はたいへんでした。あちこちで焚き火を焚かなければならないので、キャンプ場から大量の丸太や草を持ち出す必要がありましたし。途中で焚き火が消えてしまわないように、ときどき丸太をくべることに注意を払ったり……ただでさえ冬は日中が短いのに、とにかく防寒に手間がかかって、まともに作業している暇がありませんでした。文明の利器にマジ感謝です。


ヒューン……ドカン!と遠くで衝撃音が聞こえました。
おっと隕石地帯なんだここ。なに運悪く直撃を食らわないかぎり、どうってことはありませんよ。音を聞いた感じ、遠くのようですし。キャンプ場の近くに隕石地帯があるのはよいことです。定期的に月から隕石が降ってくるので、採掘場から石のなくなることがありません。それに……

あったあった、ムーンストーンの破片が落ちてました。
青みがかった光沢が美しい、何かしらの地球外金属を含んでるのかもしれませんね。これは隕石地帯でしか見つからない、そこそこの貴重品です。拾っておきましょう。(しかしインベントリが一杯になるほど石片を採掘できたなら、これは捨てていく予定です。これ1個しかないですし、今すぐ必要というわけでもないので。)

2019年08月03日

政治的理由によるテロですか?


おうおうおう。
同時に2つのサーバーのキャンプが焼かれました。

調査するとそれらは同一人物の犯行で、更に調べてみると、彼は短時間に5つの日本サーバーの全てにログインを試みていました。状況から察するに、これはよくある暇つぶしの嫌がらせ遊びではなくて、明確な動機を持って行われたテロだと憶測します。

尚、5つのうち3つのサーバーのキャンプが無事だったのは、以下の理由によると憶測できます。

  • キャンプが洞窟にあったため、見つけることができなかった。
  • キャンプはログインゲートから遠い位置にあり、たどり着けなかった。

それでこのテロリストのプロファイル・国籍は不明なのですが、そういえば昨日は日本政府が韓国をホワイト国リストから除外した日ですから(ああそういうこと?)と勘ぐってしまうのは、仕方ないと思うのです。


あ、焼き討ちに遭った2つのサーバーは、既に時間を巻き戻して元通りにしました。管理者コマンドを打ち込むだけの簡単なお仕事ですからね。

更に件のテロリストのユーザIDは、ブロックリストに追加済みです。彼は2度と日本サーバーにログインすることができません


テロ対策について。
このゲーム Don't Starve Together に限って言えば、大きく2通りのポリシーがあると理解しています。

  1. 完璧にテロ行為を防衛する。
  2. テロ行為を無防備に許すが、簡単・完璧に復元できる。

日本サーバーでは2を採用しています。
憶測なのですが、人間の行動として、下手に防衛したり抵抗すると、テロリストは怒り狂いムキになって粘着する気がするのですよ。

だからキャンプは手応えなく簡単に焼け落ちて、テロリスト殿にはご存分に満足してお帰り頂いただく。その後でスイッチポンとサーバーを元に戻す。この方法が安全かなと考えています。

2019年08月02日

ダイナマイト・どんどん!です(3)


古代遺跡の心臓部に潜む影の王、アトリウム・スタルカーを爆殺します。
彼が乗り移って復活する予定の骸骨の像の足下で、ダイナマイトはカウントダウンします。

5…4…今!
私が手に持った影の心臓を骸骨の像に突っ込むと、冷たく固いはずの像は軟体動物のようにびくびくんと大きく痙攣して、2本足で立ち上がりました……大きい!アトリウム・スタルカーが乗り移ったのです。

私は彼から少し…というよりダイナマイトから少し距離を取りました。
爆発に巻き込まれたらあっさり即死できます。

カウントダウンは進んでいます。3…2…
スタルカーはお約束どおり、両手を振り上げて大きく吠えて、そしてこちらに振り向きました。私はお互いの目が合ったことを確信しました。目のない空っぽの眼窩なのに、目が合ったと分かりました。

カウントダウンは進みます2…1…
スタルカーは私を敵と認め、第一歩を踏み出し……あれっ?失敗した?間に合わない!?

そして――――――――――――――――


――――――――――だ、大丈夫。殺しました。

あれはもう音じゃない。
ほとんど物理的に頭を殴られたような衝撃の爆発音と、今まで見たこともないような、とんでもないダメージがスタルカーに入ったことを、かろうじて私は確認しました。

しかし彼は瀕死状態で動いています。
まだ私は被爆のショックで上手く考えることができなかったけれど、とにかく本能で剣を振り回して、彼に最後のとどめを刺したのでした。

――だめです、まだ耳が聞こえません。
自分の声が聞こえないと、上手く考えることもできないんですね。初めて知りました。あ、鼻血だ。大丈夫なの私!?

スタルカーの魂は砕け散り、既に像は只の骨の集まりに戻って、希少なドロップアイテムと一緒に散らばっています。ゴゴゴゴ……と早くも不吉な地揺れが始まりました。もうここに用はありません。アイテムを拾ってさっさと退却です。


――さてと一息、小休止。
既に心臓部からかなり離れましたが、まだかすかに地面の揺れを感じます。

これってあれですかね?
冒険映画でよくある、天井がガラガラ崩れて主人公達が一目散で逃げるという、あれ?いいえ違います。実はこれは危険でも何でもありませんよ……まあ、今まで巻き込まれた人がいないので、本当に安全かどうかは保証できませんが。むしろ事実は逆で……って、あ、待って。今です。今始まって、そしてあっという間に終わりました。

誰しも唐突に理解するでしょう。
ついさっき私はアトリウム・スタルカーを倒したはずなのに、今からアトリウム・スタルカーを倒すのだという、奇妙な二重意識。これは……古代遺跡が元に戻ったのです。

私も「管理人」として、世界を守るために数時間ほど時間を巻き戻すことがありますが。今回のは、それの局所的なやつで、しかも徹底的です。たった今、古代遺跡における私の冒険は、すべてなかったことにされたのでした。

文字通りの元の木阿弥。
遺跡は依然として誰にも採掘されず手つかずのままだし、古代の守護者は墓荒らしの不届き者を一人たりとも通すまいと墓場を徘徊していて、そしてアトリウム・スタルカーの魂は、"いまだ誰も訪れたことのない” 最深部をさまよい続けるのでしょう――未来永劫。


彼もこの世界に囚われた犠牲者であると言えます。
大丈夫、私はあなたのことを覚えていますよ。ご縁があればまた殺し合いましょう。
初めまして、スタルカーさん。

ダイナマイト・どんどん!です(2)


古代遺跡の心臓部に潜む影の王、アトリウム・スタルカーを爆殺します。

最後の冒険です。
新発明のダイナマイトをしこたまバックパックに詰め込んで、でも装備はいたって平常通り。どうせ戦って勝てる相手ではありません。爆殺に失敗したら、一目散に逃げ帰るしかないのですから。


――そして途中経過の説明を省いてやって来ました。
ここが古代遺跡の心臓部です。

一条の光も届かない洞窟の最奥なのに、意外と明るい。
らせん模様に敷き詰められた足下の人工タイルが、青白く輝いているのが見えますけど。これって光ってるわけじゃないから、絶対に松明を消さないように。知らない人が安心して消灯して、たまにチャーリーに殺されたりします。

私は今、実は真っ暗闇の中に立っています。
え、でもこんなに明るいじゃないか?そう、辺りが青白く輝いて見えるのは、この場に充満する濃密な魔力が人の頭蓋を貫通するときに、脳の視覚野を刺激して、それで”見えてる”と錯覚しているだけらしいのです。例えば目が見えない全盲の人でも、この光景だけは”見える”ってことです……ん?ってことは、この古代遺跡に住んでいた人たちは、目が見えていなかったってこと?

まあいいや、
何でもいいから”見える”なら好都合、さっさと最深部への道を急ぎましょう。道順は以前来たときに把握しています。まっすぐ行って曲がって曲がって、はい到着。って早ッ!

ラストダンジョンがこんなにイージーでいいのか?
いや普通はもっと大変なんですよ。迷路は長く複雑だし、たくさんの蜘蛛が徘徊していて、気の狂った人しか通さないなんて障壁が道を阻むのですが。ここのダンジョンはこんなでした、ちゃんちゃん。いいじゃないですか、別に私も好んで苦労したいわけじゃない。ラストダンジョンが肩すかしのイージーモード?ありがたいことです。


なんて言ってるうちに、
アトリウム・スタルカーの依り代である骸骨の像が完成しました。

これってパズルみたいで、変な形に組み立ててしまうことがよくありますけど。今回は正しく組み立てることができました。後はこの像に影の心臓を押し込むと、アトリウム・スタルカーが乗り移って動き出すのですが。

その前に、像の足下にダイナマイトを敷き詰めて、これからの手順を頭の中で復習します。タイミングはシビアです。スタルカーが顕現する前に爆発しても無意味だし、歩き出した後で爆発しても手遅れです。


……よし、完璧です。
私は場の中央に建っている「門」と呼ばれる用途不明の建造物に、「鍵」と呼ばれる正体不明のアイテムをはめ込みました。とたんに辺りは毒々しい赤で、まぶしいほど輝き始めました。今、古代遺跡全体がこうなっています。古代遺跡全体の魔力場が活性化しているのだ?、という話です。

OK。そしていよいよ最後の手順、ここからは間違えられません。
私は片手に影の心臓を持って、もう片手に松明を持って、像の足下のダイナマイトに点火しました。

ダイナマイトはしばらく燃えて……カウントダウンが始まりました。

ダイナマイト・どんどん!です(1)


巨人たちを殺して殺して殺しました。
残るは最後の一柱、古代遺跡の心臓部に潜む影の巨人、アトリウム・スタルカーのみです。

とは言うものの、最初から正攻法で彼を倒すことは諦めています。
いや、今までに2度ほど真っ向勝負の闘いを挑んだんですよ。そして命からがら逃げ出したのでした。

うん無理。私の腕程度では、何回挑んだって勝てません。

以前、ウォルフガングさんがたった一人でアトリウム・スタルカーを倒すのを見たことがあって、(けっ、そりゃウォルフガングさんくらい腕力があれば楽勝だよね)なんて毒づいてましたが。はい、腕力云々でどうにかなる相手ではないです、あれは。彼はベテランファイターだったんですねーいやお見それしました。


とにかく、敵は戦って勝てる相手じゃない。
なので火薬で爆殺することにしました。

なんだそんな便利な物があるなら最初から使えばいいじゃん?
そうなんですけどこの火薬って、けっこう高価なんですよ。素材のニトロ石がなかなか手に入らないので、数を揃えるのに時間がかかるのです。

それと品質が不安定というか、点火してから爆発するまでのカウントがいい加減です。だから、ふつうはパンフルートで眠らせたり、氷の杖で凍らせて動けなくしてから、爆殺するのがセオリーなんですが。

影の王は眠らないし凍りもしない。
歩き回る彼をタイミングよく爆発に巻き込むのは、かなり難易度の高いミッションになります。数を揃えるのが大変な火薬を使って、何度もリトライするなんて勘弁願いたい……仕方ない、やるしかないか。


私は「モッドクリエイター」です。
まあ、そんなに珍しい人材でもありませんね。

モッドクリエイターは世界を書き換えることができます。
今まで世界に存在しなかったアイテムや武器・防具を新たに生み出すことができます……こういうチートな力に頼るから、いつまでたっても私はサバイバーとして中の上なんだという自覚はありますけど、やめませんけど。

そんなわけで数日ほど時間を頂いて、新たに「高信頼性ダイナマイト」というアイテムを発明したのでした。いわゆる導火線付きのダイナマイトで、点火してから正確に5秒で爆発します。

(これなら殺れる!)早くも私のゴーストが勝利宣言を囁くのでした。

2019年07月17日

移民村が完成です


……うむ、こんなものかな。
完成したばかりのキャンプ場を眺めて、一人で悦に入っています。

ベリーの茂みに、草に小枝と、必要な資源は一通り植えました。
干し肉棚と畑もいくつか用意しました。おっと熱い夏を過ごすための冷却炉がありませんね、後で建設しておきましょう。

因みにこれは私のキャンプではありません。
普段、私が住んでるリッチなキャンプ場は、このログインゲートからずっと離れた、サバンナと森林の境界にあります。

そう、ログインゲートからかなり遠く離れた場所です。
経路も少し分かりにくい。仮に誰かが新たにこのログインゲートに降り立ったとしても、生きて私のキャンプ場までたどり着くことは不可能でしょう。

ということは、例えば私が真冬にこの世界から去ってしまうと、後は誰もこの世界に留まることができない。この世界は死んだ世界になります。


そんな事情から、私はいつもログインゲートの近くにキャンプ場を造るように心がけているのですが……今回はカードの引きが悪かった。実は今いるこの場所って、世界の端っこなんですよ。草が生えている以外、何にも無い場所です。

生き延びるための利便性を考えたら、当たり前ですけどやっぱりキャンプ場は世界の中心辺りにあるのが理想です。不便な僻地だが他の人たちの事を考慮してログインゲートの側にキャンプ場を造るのか?それとも世界の中心に造るのか?

大前提として私は死にたくない人です。私が一番かわいい。
なので大して迷いもせずさっさと世界の中心にキャンプ場を造ったのでした。

あれから何年も生き延びて、そろそろ倉庫からあふれるほど資材も集まったので、遅ればせ、後から来る人も生き残れるように、ログインゲートの周りに仮のキャンプ場を造った次第です。

2019年07月04日

食べ物を粗末にします


夜、一人でキャンプ場を点検しています。
冷凍庫を覗くと新鮮なベリーで満杯でした。ふむと私は頷いて、みずみずしいベリーを抱えられるだけ取り出して……そしてゴミ箱に捨てました。

ちょ、何をするんだっ!って?
火をつけて燃やすんですよ。このゴミ箱は生ものだろうと石だろうと何でも焼いて灰にするという優れものです。え、そんなことを聞いてるんじゃない?もちろん分かってて言ってます。部外者は黙っていてもらえませんかね。

そして次に私は満杯の倉庫を点検して、いくつかの資材を取り出すと……ゴミ箱に捨てました。このゴミ箱は生ものだろうと石だろうと…ってくどいですか、すみません。


食べ物も何もなくて日々のやりくりに苦労する初期と異なり、キャンプ場が完成した後は、今度は別の問題に悩まされます。際限なく過剰に集まる食べ物や資材をどうするか?という問題です。

先ほどからくり返しているように、冷凍庫も倉庫も満杯なんです。
キャンプ場の限られた敷地内に、既に限界まで建て増ししてこのざまです。

なのに志の高いプレイヤーたちは連日肉を狩ってくるし、丸太や石などを持ち込んでくる。こうなるともう、例え使える物であっても、捨てて燃やして隙間を空けるしかありません。

しかしだからといって、自分らが集めた食べ物や資材を目の前で燃やされると、流石に気を悪くするでしょう。「俺たちの協力は求められていないんだな」などと思ってしまえば、誰も何も集めなくなってしまって、今度はキャンプ場が空っぽになります。

「みなさんの協力によってこのキャンプ場は運営されています。」という建前――いや建前じゃなくて立派な本音なのですが、それは維持されなければなりません。

だからこうして、誰も見ていないときに、こっそり燃やします。

私もやりたくてやってるわけじゃないので。
ほっといていただけませんかね。

やってくれましたね!


メンテナンスのために久しぶりにやって来たら……
わお、なんてこったいっ!?

キャンプ場は廃墟でした。
電気鍋や乾燥棚は焼け落ち、冷凍庫や石壁は瓦礫になって、もう人が住める場所ではありません。

一目見て直ぐに分かります。
これはボスの襲撃や自然災害ではありません、グリーファ(嫌がらせ屋)の仕業です。彼らはむしろ(事故じゃないぞ、この俺がやったんだぞ)と痕跡を見せびらかすようなところがありますから、見間違えがないのです……キャンプ場を作り上げてきたプレイヤーたちが「なんて酷いことを……」と嘆くのを想像して楽しむ人たちですからね。


だとしても。
私はこの世界の管理者なんですよ。慌てず騒がずロールバック――彼がキャンプ場を台無しにした前日まで時間を戻します。

慌てず騒がず、時間を戻して戻して……戻せる限界まで時間を巻き戻したのですが。あれ?なぜかキャンプ場は廃墟のまま、元に戻りません。え、え、えぇぇぇぇっなんで?どういうこと……あ、そういうことか!

なんと彼はキャンプ場を焼いた後、私が時間を巻き戻せなくなるまで、何日も何日も、何日もこの廃墟で過ごしていたらしいのです。

それはそれはなんというか……このくそ暑いのにご苦労様?
思わず彼に頭が下がりました。こんなに熱心で周到な嫌がらせ屋なんて、初めて見ました。彼がその熱心さを別の方向に活かしたなら、彼はきっと他のプレイヤーたちから慕われるベテランプレイヤーになれただろうに。(仮定法過去を使って英訳しなさい。)

いやいやしてやられました。完敗です。
こうなるとキャンプ場はもう、正攻法で再生するしかありません。一度更地にして、最初の最初からキャンプ場を作るってことです。

ハンマーで残骸を壊し、使える資材を拾いながら、ぶつぶつと一人で考えをまめます。うーむこうすればいいのかな?手の内は明かせませんが、今では既に対処し終えています。確かに今回は彼の勝ちですが、次はありません。

2019年06月12日

最近は他の人が住んでます


久しぶりにこの世界にやって来ましたら、キャンプ場の施設のレイアウトが少し変わっていました。最近は誰か他の人が住んでるみたいです、ここ。

どこが変わったかというと、気がつくところでは、乾燥棚を半分潰して空いたスペースに電気鍋を増やし、畑を半分潰して空いたスペースにいくつかチェストを置いています――よく使う資材やアイテムは取り出しやすいように、こちらに入れておくのでしょうね。

温度計とクローゼットも新設されています。
私にとってこれらは「何それ食えるの?」なのですが、口出す権利はありません。今住んでる人が最優先です。ここはもう、他人のキャンプ場なのです。

地面にほとんどゴミが散らかっていないのは、きちんとメンテナンスして使ってくれている証拠です。ならばこれ以上ないってほど上出来です。(ちらほら死体が転がってるのはご愛敬、後で私が片付けておきましょう。)


最初に誰かがやって来てキャンプ場を作り、そしていなくなる。
次に誰かがやって来てしばらくそこに住んで、いなくなる。
そしてまた誰かがやって来る……

その過程でキャンプ場は少しずつ形を変えて、いつのまにか、自分が最初に作ったキャンプ場とは見違えるほど異なってしまう。

これがキャンプ場のライフサイクルだと理解しています。
これでいいんです。

(ここはサーバルちゃんと二人で作ったキャンプ場……)なんて、
感傷がないわけではないですが。そもそもサーバルちゃんはぱったり来なくなりました。そのかわり、新しい人が入れ替わり立ち替わりして、私は勝手の分からない人たちをサポートして、他の世界で忙しくしているうち、最近はサーバルちゃんを思い出すこともなくなりました。

良くも悪くも記憶は風化していきます。

2019年05月31日

セイウチ旅団を襲撃します


極寒の雪原に張った簡易なキャンプ場。
炉にがんがんに火を焚いて熱いお茶を飲んで、身体を温めながら朝を待ちます。真っ暗な中にぽっかりと電球の周りだけが明るくて、何だか狭い光の円のなかに閉じ込められたような錯覚に囚われます。

その光の円の外。
暗闇で見えないけれど、すぐ向こうにセイウチ旅団のイグルーがあって、2匹の猟犬が入り口を守るように眠っているはずです。

日の出と同時にセイウチ旅団を襲撃する計画です。


セイウチ旅団は、冬になると獲物を求めてこの大陸に渡ってきます。
メンバー構成は、リーダーのセイウチ親父とその息子、それとよく訓練された2匹の猟犬。

セイウチ親父は腕の良い吹き矢の狙撃手です。
どこもくびれた所のない寸胴な体型に、口から下に突き出た太く長い2本の牙が、なるほどセイウチ。丸縁の老眼鏡をかけて、タモシャンターを被っています。

タモシャンターというのは、てっぺんにポンポン飾りのついた大きなベレー帽です。暖かくて強い精神回復効果を持っていて、今回の襲撃は、これの強奪が一番の目的です。

2匹の猟犬は家畜化されたブルーハウンドです。
雪の中でさえ目立つ真っ白な毛並みで、飼えばかわいいのでしょうが、追いかけられたことしかない私としては、その姿には嫌悪感しかありません。ブルーハウンドを殺すと、仕返しとばかりに周りに冷気をまき散らして、敵味方の区別なくみんな凍結します。嫌らしい敵です。

この2匹の猟犬とセイウチ親父がセイウチ旅団の総合戦力です。
決して侮れない敵です――セイウチの息子?ああ、放っておいてください。ちょろちょろしているだけなので。闘いに余裕があったら殺すといいですよ。食えます。


夜明け前です。寒い、鼻が痛い、涙が凍る。

サーバルちゃんの目が落ち着きなく泳いでます。あー退屈してきたな。
サーバルちゃんの精神構造は他の人と変わっていて、暗闇やモンスターはぜんぜん怖がらないのですが、退屈がてんでダメ。退屈すると急激に精神疲労します。寂しいと死んでしまうのはウサギですが、退屈だとマジで死んでしまうのがサーバルちゃんです。

我慢だよサーバルちゃん。後1分で夜が明ける。
それまでじっと……あ、ダメだった。

辛抱たまらん!と、サーバルちゃんは暗闇の中に飛び込んでいきました。
ああもう、一人で行くなーっ!

夜目が利くサーバルちゃんと違って、私は暗闇の中で動けません。
明るくなるまであと40秒…30秒…サーバルちゃんが死ぬには十分な時間が流れていきます。気が気ではありません。


ついに明るくなって私が駆けつけるとそこには……火の消えたイグルーの周りに肉片やセイウチの牙などが散乱していて、一人だけサーバルちゃんが立っていました。

(どや!)

瞬殺っ!?MI☆NA☆GO☆RO☆SHI!!
どどどどうしてそんなにお強いのでございましょうか?

考えてみれば、なぜセイウチ親父が強いかというと、素早く逃げ回りつつこちらの手の届かない遠距離から一方的に攻撃するからです。

しかし足の速さならサーバルちゃんの方が圧倒的。
まとわりつく猟犬を振り切ってあっという間にセイウチ親父に肉薄すると、吹き矢を構える暇も与えずに斧で滅多打ちにした模様。

その俊足、さすがに羨ましいと思いました。

2019年05月21日

サーバルちゃんの足は速いです


冬はつとめてと言ったのは誰でしたか、どうでもいいか。
朝ご飯を食べた後で、「ちょいとセイウチ旅団を襲撃しようぜ!」と思いつきました。

セイウチ旅団は、冬になると獲物を求めてこの大陸に渡ってきて、エスキモーのイグルーのような小さなキャンプを張ります。

決して彼らは侮ってよい敵ではなくて、2匹の猟犬の連携とセイウチ親父の吹き矢狙撃によって、大勢の人が返り討ちにされてきました。

しかし皆殺しにしたときにドロップするお肉やレアアイテムが美味しすぎて、誰も諦めきれないのです。(冬には他にすることがないという実情もあります。)


セイウチ旅団を襲撃しようと思いついて、それからずっと二人で走っています。セイウチ旅団のキャンプは遠いのです。

サーバルちゃんの足は速い。
それは、いつも忙しなくキャンプの中を走り回ってるサーバルちゃんを見て知っていましたが。一緒に走ると、本当に速いのだと実感できます。

私は、他の人よりは足が速い方だと自負していますし、更に足が速くなる競歩の杖も装備しています。なのにサーバルちゃんは更に速いのです。

一生懸命に追いかけても、サーバルちゃんの背中は少しずつ遠くなる。
ときどき(離れちゃった?)とサーバルちゃんは振り返って待っていてくれます。


そろそろ日が暮れてきましたが、まだ走っています。

途中に殺人蜂の巣の密集地帯があります。
踏み込むと季節を問わず無数の殺人蜂が襲いかかってくる難所です――数が多すぎて倒すのが難しいってだけで、無視して走り抜けたら危険もないのですけどね。

2019年05月18日

ジャパリまんです


傘を差しながらサーバルちゃんがジャパリまんのクラフトに精を出しています。お、もう出来た。早いですねえ。雨粒に濡れないように、直ぐに冷凍庫に保存しましょう。

ジャパリまんは、何の具も入っていない只のカステラパンです。
特筆するところもありませんが、ほんのり甘くて、いくら食べても飽きのこない味です。ザ・主食って感じです。この世界では、精神疲労を回復するので、薬用として大切に扱っています。

ジャパリまんは誰でもクラフトできます。
材料は確か、卵とベリーと、畑で穫れるトウモロコシでしたか。でも何となく、ジャパリまんのクラフトと畑の管理は、サーバルちゃんの担当になっています。

別に私がジャパリまんをクラフトしたり、トウモロコシを収穫してもいいのですが。何というか、サーバルちゃんが隙を見せない?のです。トウモロコシが実ったらさっと収穫して、ぱぱっとジャパリまんをクラフトしてしまう。

そのはつらつと労働する姿には、生き甲斐すら感じられるので、そこはもう彼女に一任して、私は畑を枯らさないようにさりげなくウンチの在庫管理をしています。


おっと、ウィグフリッドさんのことを紹介し忘れていました。
でも、そんなに記すこともありません。彼女はふらりとこの世界にやってきて、数日ほど近所を探検して、いなくなりました。

あんまり会話する機会もなかったなあ。
また訪れる日を楽しみにしています。

おかえりっ、サーバルちゃん!


ぐつぐつと電気鍋の煮える音だけが聞こえます。
することもなく、かたかた踊る鍋の蓋を私がにらみつけていると、いきなりピカーっと目の前に等身大の光の塊が現れて、それは直ぐに、小柄な人の姿に収束しました。

「はい!」とその人は元気よく挨拶しました。

すべすべの肩を出した快活な装いに、好奇心で輝く大きな瞳。
そして頭に生えた特徴的な長い耳。

サーバルちゃん……て、あの、サーバルちゃんなの?
私と一緒にこの世界に降り立ち、私と一緒にこのキャンプ場を作って、そしていなくなった。あの、サーバルちゃんなの?帰ってきたの?本当に、帰ってきてくれたの……?

いろんな思いで頭がぐるぐるして動けないでいる私に、サーバルちゃんはたたたっと駆け寄り……そのまま駆け抜けて地面にしゃがみ込んで、手当たり次第に草をむしり始めたのでした。

ぶちぶちぶちぶち。

そ、そうだよね。
「草を見たら取りあえずむしっとけ」――サバイバーの鉄則だよね。頼もしいよ、サーバールちゃんたら……もう。

ずっと会えなかったのに、久しぶりに会えたのに、何だかいつもと全然変わらないサーバルちゃんを見ていると、私の心も穏やかになっていきました。

私が嬉しいのは「単にサーバルちゃんと再会できた」ということだけではありません。いなくなった後に再び世界を訪れた人は、それからもずっと世界に居着いてくれる可能性が高いのです。

……いつか私が強くなって、巨人たちをみんな殺して、この世界を閉じるときに、隣にサーバルちゃんがいてくれたら嬉しいなと、願います。


そのサーバルちゃんは?と見れば、今は倉庫の中を覗き込み、がらがらどんと新しくクラフトした装備を着込んでいるところでした。

(どや?)

って、アニマル柄のサーバルちゃんがログアーマーと斧を装備すると、まるで原始人のようですよ。そこにジェントルマンなシルクハットなんて、くくく……。私の脳裏に「原人雑伎団の団長!」とういう、意味不明なフレーズが浮かびました。

(どや?)

ぷぷ、やめて、サーバルちゃん。
あ、そういえば言ってなかったね。

おかえり、サーバルちゃん。

ビービー・ハットで多い日も安心です(野犬が)


前回、たくさんの野犬に追いかけられたことを反省しました。

私がふだん装備してるグローイング・ソード――成長する剣は、最終的には一振りで巨人を殺すほど強くなるのですが。今はまったくレベルが低いし、そもそも私には腕力がありません。一度にたくさんの敵に囲まれると、数で押し切られてしまうのです。

だからもう一つ、強力な武器が必要です。複数の敵を同時に相手できるようなやつです。

本音を言うと私は、そのような全体攻撃性の武器を蔑んでいます。
だって、そんなの使えば誰でも勝てるに決まってるじゃん?ジェリービーンズにお似合いさ。でも……そうやって粋がって、死んでしまったらちょーみっともない。私だったら恥ずかしくて舌噛んで死にます(あれ?)。とにかく、背に腹は変えられられません。武器を新調することにしました。


「数に勝てるのは”数”だけだ!」

というわけでじゃじゃーん、ビービー・ハットです。
なんだかトリュフチョコレートみたいな外観ですね……む、少し重心が高いな?首がぐらぐらする。

これは分類上は「帽子」なのですが、実質は攻性の防具です。
内部に殺人蜂の巣を仕込んでいて、私が敵からダメージを受けると、自動的に十数匹の殺人蜂が飛び出して迎撃してくれる仕組みです。近くに他の蜂の巣や養蜂箱があれば、そこからも蜂が飛び出してきます。

ウァーンと一斉に無数の殺人蜂が飛び立つ様は壮観ですよ。
周囲は殺人蜂の色で真っ赤に染まります。「蜂のため空の色が見えない!」「蜂が七分に空が三分、蜂が七分に空が三分だ!」って感じ。

私も一緒に戦いたいところですが……下手に乱戦に参加しても殺人蜂を叩いてしまいそうなので、おとなしく傍観に徹します。


あと、他のビービー・ハットの機能としては、

  1. 蜂が積極的に敵対してこない
  2. 全ての蜂の攻撃を無効化する

というがあります。

それはちょっと養蜂に便利かも、って思いました?
ちょっとじゃないですよ。いいですか、”全ての蜂”の攻撃を無効化するんです。それってつまり……?ビー・クィーンの攻撃も無効化するってことです。なんと!巨人の一柱をただの槍一本で殺せるなんて!自分で作っておいて後で気がついたのですが……ひどいチートですね。

まあ、実際にビー・クィーンを殺すかどうかは後で決めることにして、今は安全のためにビービー・ハットを装備しておきます。

野犬に追いかけられました


岩場で石を採掘していたらウォンウォンと吠える声が聞こえました。
野犬の群れです。まだ声は小さくて遠くにいるようですが、ここはキャンプ場から離れています。逃げ帰るまでの時間はないと即断しました。

私は自分の状態を点検します。
体力は十分、装備したログ・アーマーも新品。これなら2,3発ダメージをくらっても、4匹程度の野犬なら不安なく殺せるでしょう。ここで迎え撃つと、私は覚悟を決めました。

闘いが始まるのは夜になりそうです。
私はランタンを地面に置いて照明を確保して、襲撃に備えます。

次第に大きくなる野犬の声……そして夜になりました。


すうっと闇で視界が狭くなるのと同時に、ざざざざと周囲に四つ足の駆ける音。来た!私は斧を構えました。そして次々にランタンの光の中に飛び込んでくる野犬たち――えっ!?ちょ、まっ、多すぎ!

8匹?9匹?数える余裕なんてありません。
最初に飛び込んできた一群は、既に背をたわませて攻撃モーションに入っています。祈る気持ちで私はバッグラーを振るいましたが、野犬たちはばらばらに噛みついてくるので、タイミングを合わせることができません。

「がぶがぶがぶがぶ」
「きゃーっ」

ダメージ反射は失敗して、ごっそりと私は体力を失いました。

見れば既にボロボロのアーマー、そしてこの野犬の数――あ、詰んだ?
私は死を意識しました。反撃を試みたところで、一斉に噛みつかれて、一撃を入れることもなく殺されてしまうでしょう。

休む間も与えまいとばかりに責め立ててくる野犬たち。
このままではジリ貧です。ヤバイ、絶対にまずい。逃げなきゃいけないなんて当然分かっています。でも野犬たちがしつこくてランタンを拾う隙がないのです。暗闇の中の狭い光の円の中に、私はたくさんの野犬たちと一緒に閉じ込められた格好です。

逃げ場のない中で、私は野犬たちとの鬼ごっこを強いられました。
ランタンを中心にぐるぐるぐるぐる……ときどき「がぶっ」と食いつかれるのが地味に痛い。くっそぉぉバターになっちゃえ!


ついに夜が明けました。
私はランタンも採掘した石も全て捨てて逃げ出しました。

そして追いかけてくる野犬たち。
どこまでもどこまでも、どこまでも追いかけてきます。(ここまで逃げたら大丈夫だろう、もう許してくれるだろう……)そんな気配がぜんぜん感じられないのです。

私は半べそをかきながら走り続けたのでした……


それで、どうやって助かったかって?
結局、野犬たちを連れたまま大陸のほとんど反対側のサバンナまで走って、育児でピリピリしていたビーファローたちになすりつけてきましたよ。

やっと人心地ついて、そういえばと改めて体力を確認すると、わずか4しか残っていませんでした。とんでもない、下手すりゃ死んでたんだ私。

で次は?更に野犬の数が増えるのでしょう?
絶対に無理、死にます。これは本気で対策を考えなければなりません。

2019年05月17日

リコ饅頭を作ります


最近甘い物を食べてないなあと、ふと思い出しました。
あ、ベリーはいつも食べてますよ。そんなじゃなくてもっとこう、舌にべっとり甘さが残る感じのやつです。なんて想像したら……うう、じゅるる。あっという間に我慢できなくなりました。

よし作ろう。もう夜中だけど、今食べたらカロリーが心配だけど。いやいや朝ご飯に食べるんだから少しも心配じゃないよ。うん、ぜんぜん大丈夫。


私はこの世界に降り立ったときから、携帯用の小さな鍋を持っています。 どこでも調理ができて食べ物に困らない、という優れものですが。それだけではなくて、この鍋でしか作れない料理もいくつかあるんです。

今から作るリコ饅頭(命名は私)もその一つです。
あん饅の中身がとろとろのカスタードクリームみたいなやつ、といえば伝わりますか。

精神疲労を大きく回復する効果があるので、薬の代わりに食べたりもしますが。今は純粋に甘いものが食べたい!


リコ饅頭を作るのに特別な食材は使いません。
たっぷりの卵とベリーだけ。地面に据え付けたリコ鍋(命名は私)に食材を入れて、スイッチぽん。少しの時間で出来上がりました。

それでは早速、出来たてを一つ……うん甘い。そしておいしいー!
ふわふわの生地の中に破れ出そうなほどのカスタードが入っていて、そこにジャムの酸味がアクセント。これはいくらでも食べられますよ……少し卵臭いな?いえいえ大丈夫、これは冷蔵庫で寝かせて少し落ち着かせると更に美味しいのです。後で冷蔵庫に入れておきます。


さて、ここでちょっとしたトリビアを。
みなさんは調理するとき、冷蔵庫から食材を取り出して、そのまま鍋に入れて調理するでしょう?そんなふうに傷みかかった食材をそのまま調理すると、傷みかかった料理が出来てしまいます。

ここは面倒でも、全ての食材を火で加熱してから調理すると、新鮮な状態の料理が出来ますよ。さすがにぴっかぴかの新鮮!とまではいきませんが、最初から腐りかけの料理が出来るよりずっとましです。
ぜひ試してみてください。

2019年05月16日

豚の王様に朝貢します(2)


あり余っている怪物肉を豚の王様に献上して金塊を賜ろうという、一石二鳥の計画です。

鳥さんと協力してたくさんの怪物肉をたくさんの卵に変えていたら、日が暮れてしまいました。しかしこれから直ぐに出発します。

豚の王様が住まう豚の村(王なのに治めているのは村!)は、この世界ではキャンプ場から見て、大陸の真反対側になります。

午前中の謁見に間に合うように、夜中も移動して朝に到着する予定です。



大陸を縦断する長い長い道を急ぎます。

なんと今夜は満月でした。
薄暗い松明やランタンを装備しなくても安全に歩けるというのは、やはりほっとします。

このへんは墓地ですね……あ、幽霊さんだ。
満月に浮かれて墓から出てきたのですね。ふわふわと追いかけてきますが、今夜は戦闘はパスです。急いでるんで。

そして日の出の少し後に、豚の村に入りました。


開けた草原に豚小屋がぽつぽつと散らばって建っていて、たくさんの豚さんたちが徘徊しています。

私と豚さんとの関係は概ね友好的です。(キャンプ場にも数匹の豚さんが住んでいますしね。)ときには野菜をあげてウンチをもらったり、ときには食うか食われるかの生存バトルをしたりしますけど。今日の用事は豚の王様なのでスルーです。

豚の王様は村の中央の、板張りの上に鷹揚に横たわっています……湿った土の上に固い板を張っただけ。屋根はありません、雨ざらしです。

(ふ、所詮は畜生の王……)って、おおっと本音が。
今から謁見するのに、顔に出てたらやばいやばい。

「このたびはご機嫌麗しゅう、もごもご」
などと形だけの挨拶もそこそこに直ぐに本題。一つずつ卵を献上します。

「どうぞ」「うむ」(ポイ)

返して豚の王様は金塊を下賜します。

「どうぞ」「うむ」(ポイ)
「どうぞ」「うむ」(ポイ)
「……」「……」
「どぞどぞどぞどぞ……」(ポイポイポイポイ……)

……まあね、王様の本音は早く卵が食べたい。私は早く金塊が欲しい。そんな厳かにちんたらやってられませんよ。

みるみるうちに床は金塊でいっぱいになりました。
なかなか至福の眺めです。

全部拾って退散します。
また長い道のりを帰ります。キャンプ場に着くのは夜になりそうです。

2019年05月15日

豚の王様に朝貢します(1)


秋が来ました!
窯の中で焼かれるような夏の熱さも過ぎ去って、キャンプ場から遠く出かけても、焼け死ぬ心配はなくなりました。私の冒険はこれからです。


と、その前に。冷凍庫が危機的状態なんです。
もともと最初から容量限界まで食料を詰め込んでいたのですが、夏の間、キャンプ場を襲った野犬たちを返り討ちにしたり、それなりにいろいろしているうちに、拾った怪物肉が増えて増えて、もう限界。冷凍庫に入らなくなりました。

一方で倉庫を点検すると、金塊の不足が目にとまります。
金塊がないなら採掘場に行って、岩を砕いて入手しても良いのですが。ここは豚の王様に朝貢して、金塊を賜るのがセオリーです。(はて、私の丁寧語っておかしくないですか?)

豚の王様はくだらないガラクタ(不敬)が殊の外お気に入りですが、高カロリーな食べ物も好まれます。ですから有り余る怪物肉を差し出して、代わりに金塊をたくさん賜る計画です。

ただし豚の王様は、毒を含む怪物肉を直接には召し上がりません。
だから一手間必要です。

  1. まず怪物肉を火で炙って
  2. それを鳥さんに食べさせると
  3. 鳥さんは卵を産んでくれます。

この卵を豚の王様に献上するのです。
(卵には毒がないので、私もふつうに食べられます。)
え、この鳥さんって愛玩用の飾りだと思っていましたか?実はちょー重要なサバイバル道具なのでした。


それでは準備にとりかかりますか。
ひたすら大量の怪物肉を火で炙って、一つ一つ鳥さんに食べさせて、せっせと大量の卵を拾います……

ああ、日が暮れてきましたが、まだ終わりません。

なんだか自分が自動焼き肉食べさせ機になったような気分です。
本当にそんな機械があるかどうか知りませんけど。

ツリーガードと戦います


ツリーガードはこの世界に古くからある支配者の一柱です。
急激に森林が伐採されるとき、自衛手段として森林はツリーガードを生み出します。私達は木を切りすぎたのです。

二股に裂けた太い幹を二本の足にして、ゆっさり、ゆっさりと歩み寄ってくるその姿は、大きな歩くクリスマスツリーのようで、ユーモラスでさえあるのですが。

人間の何十倍もある体力と、それとあの太く堅い腕で殴られたら、防具を装備していない豚さんなんてひとたまりもありません。

私はいそいでショベルを斧に持ち替え、駆け寄りましたが、間に合いませんでした。あっというまに2匹の豚さんが殺され、地に倒れて……お肉になりました。うほっ、お肉!

いやいや、さすがにここで優先順位は間違えませんよ。
まだ1匹は生きているのです、戦っているのです。

ついにわたしはツリーガードに張り付いて、だんだんだんと斧で叩きました。

ツリーガードとの戦いが始まりました。


豚さんは一撃入れては逃げ回る――ヒット・アンド・アウェイの戦法です。対して、ひたすらしつこく斧を振るい続ける私に、ツリーガードは狙いを切り替えたようです。私の方にゆっくりと向きを変えると……葉の茂る太い腕を、ぶわっさーと振り下ろしました。

重い一撃!問題ありません!大丈夫です!

瞬間に私は別の武器に取り替えて、ツリーガードのタイミングに合わせ頭上を払いました。

かぽん……といういささか間の抜けた音と、続けてドン!と、今までになかった大きなダメージがツリーガードに入って、僅かですが、ツリーガードは後ろに怯みました。

私がツリーガードの攻撃を返したのです。

私が今装備しているこの円盤状の盾――スチールバックラーは、タイミングよく敵の攻撃に合わせることで、あらゆるダメージを全反射します。もちろん私はノーダメージ。これがあれば巨人だって恐くありません。むしろ敵が強力であるほど、敵に返るダメージも酷いのです。チート中のチート。

サーバルちゃんも上手に使いこなしていましたよ。
敵に張り付き、一歩も退かず、斧を振るうその姿。愛らしかったなあ……

なんて思い出にひたれるほど、実は余裕で戦っています。
いくら強力な一撃といっても、そもそも緩慢な動きです。見切ってカウンターを当てるのは簡単なのです。


いささかかったるい長い時間の後に、私と豚さんの連携で、ついにツリーガードは倒れて、地面に木片をまき散らしました。

けっこうな時間を取られました。
木を切るのは、ふう、これは……また明日ですね。

そういえば落ちていた豚肉は?と思い出せば、既になくなっていました。どうやら生き残った豚さんが拾って食べたらしいです。

あなた、それ。友だちの肉でしょう?
弱肉強食ですか?それともカニバリズム的なあれですか。「お前の血肉は俺の血肉になって永遠に生き続ける」みたいな。
はあ。

豚さんと木を切っていたら


今朝、倉庫を点検したところ、丸太が少なくなっていました。
現在このキャンプ場では、火事を防ぐために3台の消火装置を不休で動かしています。これが当初の計算よりも、たくさんの燃料を消費しているようです。

燃料がなくなる前に、木を切って丸太を補充することにしましょう。


というわけで今、私はたくさんの木を前にして、少し考え込んでいるのでした――この本数、私一人では今日中に全部倒せそうにありませんよ。

こんなときは?豚さんたちに手伝ってもらうのがセオリーです。

豚さんに食べ物をあげることで、半日ほど豚さんを雇用することができます。肉肉した食べ物なら何でもいいので、あえて冷凍庫の中で痛みかけていた怪物肉を引っ張り出して3匹に配りました。何の問題もありません、美味しそうにぺろっと食べてくれましたよ。流石、頑丈な胃袋ですね。

さあ、契約成立です。ついてきなさいこの豚ども。


豚さんたちの言葉は片言です。
「オマエ トモダチ」「トモダチ スキ」などなど。コミュニケーションには心許ないのですが、木の側まで連れて来て、手に持った斧で木を切って見せたら、さすがに意図を察してくれます。

各自に木を倒し始めました――素手で。
殴る殴る殴る殴る、ぼこぼこぼこぼこ……まあ、木を倒してくれるなら手段は問いません。

それでは私は斧をショベルに持ち替えて、切り株を片付けることに専念しましょう。ここは更地にして、また後で苗木を植えるつもりです。


ばったばったと木を殴り倒していく豚さんたち。

私は手を動かしながらも、油断なく周囲を警戒しています。
仕事がはかどる――というのはこの場合、良くない兆候です。こんな勢いで木を倒していると、そろそろ… …ああやっぱり!

いきなり一本の木がぬおおっと高く伸び上がりました。
それはまるで静かに眠っていた巨人が目を覚まし、立ち上がったかのよう……いや本当に立ち上がったのです。

今や周りの木々より頭二つほど大きくなった”それ”は、二股に分かれた太い幹を二本の足にして、ゆっさり、ゆっさりとこちらに歩み寄ってきます。

この世界で最も古い支配者の一柱――ツリーガードが出現したのです。
続く。

消火装置に燃料補給します


消火装置正面の赤いバーが少し短くなってますね。
これは「燃料がなってきたよ」という合図なので、今から燃料を補給します。

消火装置の燃料は、燃える物なら何でもいいです。
ふつうは丸太なんですが、不足すれば生ゴミでもウンチでもなんでも入れます。

夏の間、絶対に消火装置を止めてはいけません。


Don't Starve Togetherの夏は猛烈に熱いです。
「暑い」じゃなくて「熱い」のです。真っ赤に焼けたオーブンの中にいるのと同じです。

あまりの熱さに、何もかもがひとりでに燃え出します――木も草も、畑も電気釜も干し肉棚も。何もかも。

せめてキャンプ場内の施設だけは燃えてしまわないように、あちこちで消火装置を作動させています。


消火装置の名前はアイス・フリンゴマチックと言う、いくぶん長ったらしい変な名前です。日本語訳すると「自動雪玉投げ機」みたいな感じですか。

本体上部の腕をくるくる水平に回して、ピッチングマシンのように、燃えさかる火の中に雪玉を放り込みます。なかなかのコントロールです。

また火事でなくても、夏のあまりの熱さでベリーの茂みや畑が枯れてしまうので、スプリンクラーの代わりというか、定期的に雪玉を放って冷却します。

そんなですから、夏の間は絶対に消火装置を止められないのです。

2019年05月14日

日課の倉庫点検です


昨日の夜から降り始めた雨はまだ続いています。
熱射病にならないように、麦わら帽子と、それと傘をさして歩き回っています。


今日は夏の第一日目。
その最初のお仕事は?倉庫と冷凍庫の点検です……点検したところで、昨日の今日で何か変わるわけでもないのですが。無駄でもこれは仕方ない、仕方のない行為なんですよ。

建築材は十分だろうか?燃料は足りるのか?食料はいつまで保つのだろうかと、不安を抱える毎日。つい何度も何度も確認してしまって、やがてそれが習慣になるんです。誰でもそうなんです。

サーバルちゃんも、通りかかるたびに倉庫や冷凍庫を覗きこんでいましたっけ。


それで倉庫の中身なんですが、ふむふむ。
小枝や草や、丸太――消火装置の燃料は足りているようですね。いや足りなくても、キャンプ場内に生えているのを刈り取ればいいだけのこと。

問題は、遠くの採掘場でしか採れない石の在庫が、38しかないことか。しかしこの石という素材は、何か構造物を建てるときに大量に消費するものです。キャンプ場でおとなしく過ごす限り、今の私には必要なさそうです。

決めた。石は、秋になって涼しくなってから採掘する予定にして、結論。つまり問題はない。



そしてもう一方の冷凍庫の中身はというと、
これまた十分な量の食料が確保されています――正確には、サーバルちゃんが作り残した料理でぱんぱんです。あ、ジャパリまんだ。

これは……しばらく狩りは不要ですね。
むしろ狩っちゃいけない。他を詰め込む隙間がありません。それに好んで熱いフィールドを歩き回る気もないので、好都合です。サーバルちゃんに感謝です。


とまあ、あっという間に今日の仕事が終わってしまいました。
することがありません……お茶でもたてて飲みましょうかね。

一人で明日のための最終点検をします


細々と雨が降り始めました。
既に日は沈んでしまって、どこもかしこも真っ暗なのに、ぽつんとキャンプ場だけが煌々と明るい。

この世界の闇はわずか数秒で人を殺します。
そんな恐ろしい闇を、力強く押し返す科学の光――漫画のように馬鹿げた大きさの裸電球が、キノコのように地面からにょっきりと逆さに生えていて、芝の緑を鮮やかに照らしているのです。

きらり。そしてきらりと、雨が芝に落ちています。
それは、まばゆい電球の光を反射して、まるで漆黒の空から真っ直ぐに降ってくる光の線のように見えます。

きらり、きらり――春の日の最後の雨です。
(雨の中を、そこかしこでホタルがふわふわと明滅しています。こんなに厳しい世界なのに、幻想的な風景です。)

静かで、豚さんも鳥さんもみんな眠ってしまっていて、芝を叩く雨の音だけが聞こえます。


昨日、そこらを駆け回ってたサーバルちゃんは、もういません。

どんなに楽しくて、またね!と挨拶を交わしても、再び世界を訪れる人は滅多にいないのです。


私はたった一人で、明日のための最終点検をします。

夏が来ます。何もかもが燃えて灰になる煉獄の季節。1年の終わりの最後の試練――夏が来ます。

今日までに消火装置を何とか3台、やっと間に合わせることができました。できるだけ広く、キャンプ場を守るように離して設置して、たくさんの草や小枝を植えました。ベリーの茂みも植えました。16日続く夏の間、確実に消火装置を動かし続けるための燃料も、十分に蓄えています……

なんて、悲壮な覚悟でも決めているように語ってますけど。
ぶっちゃけ、ここまでキャンプ場が完成してしまえば、まず死なない。難なく秋まで生き延びることができるんですけどね。油断は禁物ってやつです。

手前の珍しい小さな木ですか?
あれはお茶の木ですよ。お茶をたてて飲むのです。なにせ夏の間はすることがなくて意外に暇……というか、熱くて熱くて、あまり遠くまで出られません。キャンプ場に立てこもって、じっと夏をやり過ごす。辛抱強く秋の到来を待つのがセオリーです。籠城戦です。


さて、倉庫を確認したところ、
豚の革の枚数に余裕があったので、豚小屋を3つに増やすことに決めました。

3匹がかりで豚さんにたくさんウンチをしてもらう計画です。
ウンチはこの世界では、ちょー貴重資源です。ベリーや草が枯れたら、肥料をあげなければなりませんから。だから豚さんは大切な大切なウンチ要員なのです。ウンチをするだけで、蝶よ花よと皆から愛でられるのです。

豚さんが本当に羨ましい、私も来世は豚さんになってウンチしたい。