-- Don't Starve Together 日記 --

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セイウチ旅団を襲撃します


極寒の雪原に張った簡易なキャンプ場。
炉にがんがんに火を焚いて熱いお茶を飲んで、身体を温めながら朝を待ちます。真っ暗な中にぽっかりと電球の周りだけが明るくて、何だか狭い光の円のなかに閉じ込められたような錯覚に囚われます。

その光の円の外。
暗闇で見えないけれど、すぐ向こうにセイウチ旅団のイグルーがあって、2匹の猟犬が入り口を守るように眠っているはずです。

日の出と同時にセイウチ旅団を襲撃する計画です。


セイウチ旅団は、冬になると獲物を求めてこの大陸に渡ってきます。
メンバー構成は、リーダーのセイウチ親父とその息子、それとよく訓練された2匹の猟犬。

セイウチ親父は腕の良い吹き矢の狙撃手です。
どこもくびれた所のない寸胴な体型に、口から下に突き出た太く長い2本の牙が、なるほどセイウチ。丸縁の老眼鏡をかけて、タモシャンターを被っています。

タモシャンターというのは、てっぺんにポンポン飾りのついた大きなベレー帽です。暖かくて強い精神回復効果を持っていて、今回の襲撃は、これの強奪が一番の目的です。

2匹の猟犬は家畜化されたブルーハウンドです。
雪の中でさえ目立つ真っ白な毛並みで、飼えばかわいいのでしょうが、追いかけられたことしかない私としては、その姿には嫌悪感しかありません。ブルーハウンドを殺すと、仕返しとばかりに周りに冷気をまき散らして、敵味方の区別なくみんな凍結します。嫌らしい敵です。

この2匹の猟犬とセイウチ親父がセイウチ旅団の総合戦力です。
決して侮れない敵です――セイウチの息子?ああ、放っておいてください。ちょろちょろしているだけなので。闘いに余裕があったら殺すといいですよ。食えます。


夜明け前です。寒い、鼻が痛い、涙が凍る。

サーバルちゃんの目が落ち着きなく泳いでます。あー退屈してきたな。
サーバルちゃんの精神構造は他の人と変わっていて、暗闇やモンスターはぜんぜん怖がらないのですが、退屈がてんでダメ。退屈すると急激に精神疲労します。寂しいと死んでしまうのはウサギですが、退屈だとマジで死んでしまうのがサーバルちゃんです。

我慢だよサーバルちゃん。後1分で夜が明ける。
それまでじっと……あ、ダメだった。

辛抱たまらん!と、サーバルちゃんは暗闇の中に飛び込んでいきました。
ああもう、一人で行くなーっ!

夜目が利くサーバルちゃんと違って、私は暗闇の中で動けません。
明るくなるまであと40秒…30秒…サーバルちゃんが死ぬには十分な時間が流れていきます。気が気ではありません。


ついに明るくなって私が駆けつけるとそこには……火の消えたイグルーの周りに肉片やセイウチの牙などが散乱していて、一人だけサーバルちゃんが立っていました。

(どや!)

瞬殺っ!?MI☆NA☆GO☆RO☆SHI!!
どどどどうしてそんなにお強いのでございましょうか?

考えてみれば、なぜセイウチ親父が強いかというと、素早く逃げ回りつつこちらの手の届かない遠距離から一方的に攻撃するからです。

しかし足の速さならサーバルちゃんの方が圧倒的。
まとわりつく猟犬を振り切ってあっという間にセイウチ親父に肉薄すると、吹き矢を構える暇も与えずに斧で滅多打ちにした模様。

その俊足、さすがに羨ましいと思いました。

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